前沢牛

前沢牛は岩手県は奥州市前沢区において生産される黒毛和種のブランド牛肉です。

 

前沢牛は面積が72km2と非常に狭い地域の生産者に限り名称の使用が許された和牛で、日本食肉格付協会の肉質4等級以上に格付けされた牛肉を指しています。
当地は北上盆地の南部に位置しており、太平洋からの影響が少ない内陸性の穏やかな気候が大きな特徴です。
また全国4番目の流域面積を誇る北上側の豊富な水資源により、ひとめぼれなどの米どころとしても広く知られています。
そのため牛の飼料としても質の良い藁を始めとして穀物類が使用されており、牛の生育には非常に適した土地柄です。
年間生産頭数はおよそ1000頭ほどとかなり少なく、店頭ではあまり見かけることが無い希少価値の高いブランド牛として高い人気を誇ります。

 

肉質の特徴として挙げられるのは肉が非常にしっとりしていることやきめ細かに入った霜降りも上質な脂で、舌の上でとろけるような食感があります。
また食味に加えて香りも素晴らしい事から、シンプルな味付けで食することが多くあります。

 

前沢牛が登場したのは意外に近年に入ってからで、元より米どころとして農耕や運搬用に牛を多用してきたのですが、昭和に入り電動力耕うん機が導入された以降になり食用として品質改良が行われるようになりました。
その後、当地では独自の和牛改良体制が整えられて全国的にも徐々に人気を集めるようになり、牛肉品評会で多くの優秀な成績を収めるようになったのです。