山形牛

山形牛は山形県内において生産される黒毛和種の和牛です。

 

山形牛は特定の地域ではなく山形県の県内において生産された和牛を指しており、日本食肉格付協会により定められた肉質4等級以上のものを指しています。
当地は県内全域が日本海側気候に属している事から、冬になると県内の90%が特別豪雪地帯になる一方で夏には蒸し暑い日々が続いており、こうした寒暖の差は牛の生育のスピードに影響を及ぼしゆっくり成育させます。
ゆっくりとした成長は良質な肉を生みやすく、さらに当地の牛に合った餌を山形県独自で研究を重ねた事も功を奏して、今では全国的に知名度の高い和牛として知られるようになりました。
年間生産頭数はおよそ8000頭ほどになり、その中でも最高品質を誇る黒毛和種はおよそ7500頭ほどとなり、全国の大手食肉店やデパートなどでその姿を見かけます。

 

肉質の特徴として挙げられるのは肉質が非常にきめ細やかな点で、甘みがあるサシも入っていることから食味が美味しい肉として知られています。
こうした食味については牛本来の性質は元より山形の自然豊かな環境が大きく起因したもの、特に自然から湧き出す良質な水を飲ませたことが肉質に大きく影響しています。

 

山形牛は天武天皇が大宝元年(701)に制定した大宝令の頃よりすでに飼育が始まっていたとされますが、その後長らく農耕や運搬などで使うだけでした。
食用として知られるようになったのは明治に入り米沢市に訪れた英国人によるもので、米沢牛を介して山形牛もまた人気を集めるようになりました。